「爽介―――…」



肩から力が抜けて、
ストンと下に落ちる。



――まったく……あんたの
そういうところって、
ホントにズルいんだから……。




イライラさせると思って
たら、急にドキドキさせる。



意地悪でも戦略でもなく、
ホントに自然にサラッと
そーゆーことをやって
のけちゃう。



あたしは悔しいって思い
ながらも、いつもそんな
爽介の態度や言葉にドキ
ドキしっぱなし。



そう――最初の頃から
そうだった。



出会った頃はあたしの方だって

『なんて強引でイヤなヤツ!』

って思ってたはずなのに……。