《完》極上☆SWEETS!!③ 〜トライフル・ドリーム〜

それがあたしの宝物だったから。



「……わかってる」



あたしの額に唇を寄せて、
爽介が言った。


その短い言葉の中に、
本当に全部あたしの
想いを受け止めて。



「オレだって一緒だ。

だけど、それでも……」



『みんな、進んでいくんだ』



その声は、降り注いで
あたしを包む春の雨のように。



冷たいけれどもあったかい……
そんな不思議な感覚で、
あたしの心を満たす。




そう……みんな、進んでいく。



誰だって、ずっとその
場所に止まってること
なんてできない。



――時間は動いてるから。