「いただきます」
そう言って、閖が作った蕎麦を口に運ぶ。
「うまっ」
ぽろりと漏れた本音に、閖が嬉しそうに笑った。
「本当ですか?」
「あんた料理上手いよな!」
瑞希に教えてほしいくらいだ、と言えばまた嬉しそうに楽しそうに笑って俺を見る。
その笑みを見て、また俺も嬉しくなって。
期待が膨らむ。
俺の気持ちもまた膨らむ。
「もうすぐですね…」
時計を見て呟く閖。
俺は新年になる前に蕎麦を食べ終えていた。
「だな…」
会ってまだ日にちはたっていないけど、閖にとってここに来て初めての年越し。
俺がいていいのか…なんて、不意に思った。
そういえば、引っ越しを手伝ったの……リクもじゃね?
いや、でも呼んでくださいなんて言われてねぇし……。
頭に浮かんだ疑問がおさえきれなくて、俺は閖に問いかける。
「なぁ、リク呼んだほうがよかったか?」
俺の質問に、ふるふると首を横に振って顔を赤らめて蕎麦を食べる手を止めた。

