「あ、その、えぁっ…ぅ……ごめんなさ、い………変なこと言って…」
赤くなった顔で戸惑いながら、シュンと言う効果音がついているかのように目線を下げる。
その表情に俺も堪らなくなる。
かわいい、触れたい、愛しい。
様々な感情が溢れだして、自分ではもうどうしていいかわからなくなった。
ただ、本能なのか…思わず閖を抱きしめた俺。
あ、え、ちょ……俺なにしてんだよ。
自分がやってしまった行動に、引っ込みがつかなくなる。
あぁ、もう仕方ねぇよ。
どう考えてもかっこつけるしかねぇだろーが。
俺の腕の中にいる女はどんどん顔を赤くしながらパニック状態におちいっている。
そんな姿も可愛くって。
俺は閖の耳に唇を近づけ囁いた。
「隙があるからこうなんだよ……?俺のアド教えるから………お礼…してくれんだろ?」
そう甘めに囁けばさらに顔を赤くして、コクンと頷いた。
ゆっくり腕を離してケータイを取り出した。
「貸して?」
なにも言えない女のケータイを受け取って、赤外線を使う。
女は固まり下にうつ向いている。
「じゃあな」
頭を撫でて閖の部屋を出た。