「ありがとうございます!……優しいですね」



柔らかい笑顔を見せて嬉しい言葉を浴びせられる。



素直なこいつの言葉になんて反応すればいいか分からずになんて言っていいかわからない。



「……あぁ」



少しテンポが遅れて返事をすれば、何故か頬を真っ赤にする。



なんて反応するんだ…この女は………。



膨らむ期待に、溢れる気持ち。



俺の中がどんどんこいつでいっぱいになっていく。



もっとこいつを見たい、近づきたい。



「なぁ…」

「えっ、あ…はい?」



俺が声をかければ少し驚いた様子で返事をする。



「あとどれくらい?」



どれくらい、閖といれる?



「あ…あと、2部屋なんですけど……」

「頑張れば今日中に終わるな…」



ここの部屋が狭いのもあるが、閖は物が少ない。



本当に必要な物があるって感じだ。



残り少ない時間。



それだけじゃあ足りねぇんだけど……。



「ごちそうさまでした…」



そう呟いて閖の方を見れば、目があった。



恥ずかしいのか、また頬を赤くしてうつ向く。