暴走王子とアタシ。<連載開始>



突然、彼はアタシの襟元を掴んで、アタシの身体を壁に押しつけた。


「キャッ」

思わず悲鳴をあげたと同時に目を閉じると
唇に温かい何かが触れた。


目を開ける。
アタシの唇に彼の唇が触れていた。


温かく
優しい。


アタシは現実に戻り、
彼を突き放した。


「…なにするのよっ」


「俺の彼女になれよ」


その時、アタシの手は
彼の頬にめがけて飛んでいた。