かおりは固まって アタシを見ている。 いや違う。 アタシのすぐ後ろを見ていた。 ゆっくり後ろを向くと そこには 170後半ぐらいの背の 今通り過ぎたばかりの彼が たっていた。 ただじっと アタシを見ている彼の目に 何故か吸い込まれそうになった。 「な…なによ」 「おまえ、名前は?」 彼がアタシに唐突に聞く。 「人に名前を聞くときは自分から名乗りなさいよっ!」 その言葉を言い切ったとき、 周りが騒ついた。