中に入ると いつも現実に戻される。 昼休みの廊下は 特に賑やかだ。 「はあ~」 アタシはため息をついた。 「どうしたの?」 「賑やかなとこは嫌い。アタシが屋上好きな理由は静かだから」 「前にも言ってたねえ。ゲームセンターに行かないもんねえ…あ。」 かなこは何かに気付いたようで立ち止まって顔を赤らめた。 彼女の目線を追うと 廊下の向こうから歩いてくる人影。 周りの男子生徒とは明らかに違う風貌と身に纏ったオーラがある。