気付くとその足は 屋上に向かっていた。 その頃、 夏恋に叩かれた男は、ゆっくり辺りを見回して かなこを見た。 かなこはドキッとして 顔を更に赤らめる。 「あいつの名前は?」 男は聞く。 「山本…夏恋」 かなこは 小さな声で答える。 「夏恋か…ますます気に入ったぜ」 男はかなこの頭を優しく2回叩き、「ありがとな」と礼を言って 歩きだした。 かなこは腰を抜かし、 硬直した。