扉の向こうで怒鳴る女子高生。
俺はそんな姿にも目もくれず歩き出した。

そして電車は何事もなかったかのように発進する。


横目でチラッと車内を伺うと、
女子高生はまだこっちを見て怒鳴っている。
そんな姿を次第に見えなくなり電車は走り去って行った。


「はぁー・・・、あぶなかった・・・」


しかし最近の女子高生は恥じらいがないんか?
車内であんな大声で堂々と恥ずかしいこと言って、怒鳴って。
信じられへん。


でも俺も十分変態か、女子高生の体見て発情してるんやからな。
俺は良い子ちゃんの仮面を被った、ダメダメサラリーマンや。
しかし、そこはわかっていても触れず、自分を正当化する。
これが大人の汚いところ。


ある意味、自分を隠さずにさらけ出してる、
あの女子高生の方が偉いかもしれん。


「はぁー・・・」


俺は走り去る電車を見つめながら、
また一つ、ため息をこぼした。