「アカン、もう我慢出来ん! 
行くぞ!」


「えっ!? どこへ?」


「ええとこや」


「ええとこって? ちょ、ちょっと信樹!」


信樹は黒ギャルの体をひょいっと持ち上げ、
お姫様だっこすると、そのままゲームセンターを出た。


信樹の『ええとこ』とは、決まっている。
ラブホテルだ。


「ちょっと信樹、今から? 会社はええん?」


「ああ、俺は大和と違って優秀やからな、契約はもう取って来てる」


「そうなん? でもこんな昼まっから・・・」


「そんなん関係ない、二人の気持ちが繋がったら、その時を逃す手はないやろ?」


その体のどこにそんな力があるのか?


信樹は細身の体で黒ギャルを抱えたまま走った。


「信樹・・・」


そして二人はその日、一つになった。