俺はそれからも利佳子さんとの
関係を続けていた。


相変わらず薬指には指輪がキラリと光っている。 


その手で俺の手を握り、
俺の顔に触れる。
とてもやさしい笑みを俺に向けてくれる。


決して俺のモノではないのに・・・


なんでや・・・?

なんでそんな顔で、俺を見るんや・・・? 


なんでそんな恋人の様な目で俺を・・・


憧れだった利佳子さん、
今は何故一緒にいるのかわからない。 

ただ利佳子さんに微笑まれると
離れられないんだ。


それだけ俺は利佳子さんに惚れているんだろう。 


けどもう、この関係は恋愛だとかそんなもんじゃない。
仕事上の・・・いや、ただ愛のない男と女の関係・・・


利佳子さんと接していると、そう感じるんだ。