利佳子に一喝を入れられ、しょんぼりしながら自分のデスクに帰ると、
隣の席の信樹が椅子を滑らせながら寄ってきた。


田中信樹(タナカ ノブキ) 24歳
同期入社で親友。
わりに仕事ができる男で女にもかなりモテてる。
友達思いですごくいい奴なんだけど、ちょっと女癖が悪い。


「またこっぴどくやられたな?」


「うん・・・」


「あんな気の強い女のどこがええんや?」


「全部」


「あっそう・・・」


何のためらいもなく即答する大和に反論する気も失せる信樹。


「まぁ、気を落とすなって、チャンスはまだある。
気の強い女だって弱くなる時はあるねんから」


「弱くなる時?」


「そう、女に返る時がな」


女に返る時・・・?

なんやそれ?