「うぅ・・・寒い・・・」
薄いTシャツに一枚ジャケットを羽織っただけの俺に
容赦なく風が吹き付ける。
まだ本格的な冬じゃない、と言ったってもう11月だ。
寒いに決まっている。
それに家を出てくる前は、晴れていたのに、
もう雲行きが怪しくなってきた。
(帰ろう)
そう思った俺は来た道を引き返した。