俺の目は暗闇でも関係なくよく見える。



花嫁の愛らしい顔が恐怖に脅えていることにハッとした。



じりじりと彼女に迫るヤンキー達………



おい………。



人の嫁に何しようとしてんだ………!?



―――グルル……



苛立ちが俺の喉をついて低い唸り声に変わる。



怒りがフツフツと沸き上がり…気付いた時には力いっぱい地を蹴りヤンキー共に飛びかかっていた。



ヤンキーはいきなり現れた狼にビビって驚くほど見事なコケっぷりを見せると、



情けない悲鳴をあげて正に蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。



後に残ったのは小さな可愛い俺の花嫁。



そろそろと顔をあげほんの少し安堵の表情を浮かべているのが解る。