「目に…浮かぶようだ。」
ポツリと呟いた紫月さんは、極僅かに口角をあげて…眉を寄せると困っているような顔をした。
そんな彼を見上げながら、あたしはずっと気になっていたことを口にした。
「どうして…何の力もないあたしに《直感》だなんて、言ったんですか……?」
紫月さんはパチリと一つ瞬きをした。
「……直感だ。
これでも人狼の端くれだから…
…花嫁。」
「…?…はい。」
曖昧に言葉を濁した後、紫月さんは改まった顔をしてあたしを見た。
「私は、子供の頃から重い病などかかったことがない。…健康なものだと思う。」
「は…?」
唐突にまるで繋がりのないことを話し始めた彼に、あたしはわけもわからず固まるばかり。
困惑するばかりのあたしに
フ…と、目を細め…彼は、それは穏やかに……微笑んだ。
「…だから、きっと長生きをするだろう。
……君と同じくらいの時を…」
「紫月さん…?」


