「……いいのか…?」
十夜の前に片膝をついた紫月さんは、再度確認するように傍らに立つあたしを見上げた。
「…はい。きっと、十夜も同じようにするはずだから…」
ほんの少し不安そうに見える表情に、はっきり頷くと「そうか…」と微かな声で呟いた。
そして、おもむろに立ち上がると今度はあたしを見下ろした。
濃い紫色の瞳の奥は清んだ深い海の底のようだ。
吸い込まれそうなそれを見ていると…
「………すまない…」
「……!」
そんな一言が…降ってきた。
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