夜色オオカミ





あたしは彼に背を向けて、紫月さんに十夜を託した。



「…お願いします。」



「………。」



「あたしは信じると決めましたから。」



紫色の瞳をひたと見つめた。



紫月さんは無言でただあたしを見つめ返した。



十夜がその身を投げ出してまで信じた人…










ほら……










あなたが諦めることなかった《希望》を



今度は









――――彼が、あなたに与えてくれる。












憎しみは憎しみを生む。



それと同じように



希望は…



新たな希望を、……生むんだ。










十夜は、真っ直ぐに信じることを止めなかった。



あなたが繋げた希望がきっとあなたを救ってくれる。










あたしは、



――――そう…信じてる。