夜色オオカミ





紫月さんが……十夜を…助けてくれる…?



…耳を疑った。



だけど変わらぬ眼差しがそこにある。



「…と言っても…一か八かの賭けと変わらぬ危ういものだ。

成功する見込みは100パーセントではない。」



「……っ。」



一体…何をしようと言うんだろう。



十夜がこの瞳を開けてくれるのなら何にだってすがりたいという気持ちと…



影が消えたように見えるからといって本当に信用出来るのだろうか…と、



最悪の事態になりはしないのかという相反する二つの考えに囚われ何と答えたらいいのか言葉が出ない。



瞳を閉じたままの十夜の手をきつく握りしめながら…あたしは固唾を飲んだ。