満月と 白百合と 狼 目の前に広がる幻想的な光景を呆然と見つめていた…。 互いに微動だにせず、低い体勢で威嚇し合う。 紫月さんも十夜も身体の所々に怪我をして…濡れたように光る毛皮は血なのだとすぐにわかった。 十夜も紫月さんもあたしに気づかないほどに、互いだけに集中してる。 それはほんの少しの隙を与えることが命取りになることを知ってるからだ。 浮世離れした光景に声もなく釘付けになった。 伝わってくるビリビリとした緊張感に呑まれ…声も出ない。