紫月さんを止めなくちゃいけない。 心花の気持ちを…彼に伝えなきゃいけない。 心花は紫月さんが心花の声を聞けないから… 自分の存在が近くにあることを隠してた。 …あたしを危険に晒せない…と、…守ってくれる為に。 心花… 今度は あたしがあなたの気持ちを守るよ。 あなたの代わりにあたしが、あなたの声を…きっと届ける。 ゆっくりと立ち上がった。 目前にある扉 その前に立ち塞がる夕陽色の狼が険しい瞳であたしを見ていた。 「…何を考えているのですか…?」 硬い声音があたしに掛けられた。