黒き狼の夢…って、じゃああの夢は… その言葉が頭の中を占めてあたしはあの恐ろしい暗い夢を思い出す。 あの…多分、真神咲黒だと思う黒き狼の夢… 『あれは…本当の記憶なの…?』 恐る恐る聞くあたしに対してまたしてもあっさりと答えが返ってきた。 『あれは、真神の屋敷に立つ木々の記憶。 あたしは魂だけの存在…実体のないあたしに出来るのは生あるものの記憶…意識に入り込むことだけ。 あたしが木々達から得た記憶を祈咲に見せたの。』