あたしの身体に染み込んだ、あなたの香り………。 あの紫の狼は、 あたしに触れることすら出来なかった。 「……っ……ゃ……ぉや……っ!………十夜……! 逢いたい……!!」 ――――ガシャ……! 床にうずくまった拍子に自由を奪う足首の鎖が音をたてて ベッドとテーブルしかない簡素な部屋に響いた。 あなたがあたしを守ってくれた。 「………っ!」 負けたくない…負けたくない………! あたし 十夜の腕の中に帰りたい………!!