散々からかわれた後、早く早くと急き立てる二人に連れられて…
あたしは美しく整えられた庭園にいた。
爽やかな夜風が心地よくて目を細めてそれを受けた。
「部屋にいるより気持ちいーだろっ?オレたちもここ好きなんだ。」
「………!……え……紅ちゃん……?」
いつもの彼らしからぬちょっとだけ乱暴なしゃべり方に驚いた。
蒼ちゃんは《おれ》と言っていたけど、紅ちゃんは《ぼく》…じゃなかったっけ……?
「……もう《ぼく》は、やめる。」
「………!」
そう言った紅ちゃんはニィっといたずらっぽく笑った。
やめる…って……なんで…?
「オレたち、若様みたいに強くなりたいんだよ!
だからもう《ぼく》はやめた。
……そつぎょうすんの。」
紅ちゃんはそう言うと蒼ちゃんと顔を見合わせて笑った。
「そしたら姫君、おれたちが守ってあげる!」
蒼ちゃんがまぶしいほどの笑顔をくれた。
「「……だから姫君、笑って!」」
「…………!!」