その瞬間 頭がふわふわした

なのに 体に感覚がなくて

呼吸が苦しくて 胸が痛かった







…‐― なつみ  


やだ



やめて




…‐― 髪乾かしてから寝ろって~







やだ、 やだ、 やだ、






「 ……だ ゃだ やだ 」

「 なっちゃん!!
社長!! なっちゃん
過呼吸! 」


雅は慌てて袋を私の口に当てて亮太を呼んだ


「 はっ!?? なんで?? 」

「 わかんないです…
顔色悪くなって
急に…… 」

「 なっつ! 深く呼吸して! 」


私はただ呼吸を荒げて
亮太にしがみついた


「 なっつ 大丈夫
深く呼吸しよ?
ゆっくり … 」



苦しいからなのか
気付くと私は
涙が溢れていた



「 雅 みず持ってきて? 」

亮太は私を抱えあげて
寝室まで運んだ

みんな一緒についてきてた


「 なっつ、ゆっくり 」



袋を口に当てて呼吸をしてると
大分 ましになった




「 なっつ、 大丈夫?」

「 ん… 」

「 なっつ 仕事だから
あげはとるい以外
帰るけど大丈夫か? 」

「 大丈夫っ 」

「 わかった
じゃあ 俺明日来れないから
ゆっくり寝て?
なんか欲しい物あるか? 」

「 ううん ない 」

「 わかった…
じゃあおやすみ 」



そう言って
亮太は従業員を連れて
部屋から出ていった