リビングへのドアを
少しだけ開けて
顔をちょこんと出してみる


「 なっつ なしたの(笑)
おいで~? 」


手招きをされて
亮太くんの足の間に座った


「 なんかなっちゃん
うさぎみたい(笑) 」

「 あ、わかるわかる(笑) 」
「てかなっちゃん
ゲームの前に髪乾かすよ!!(笑)」

中断していたDSを開いて
再びゲームをしようとしたら
雅に呼ばれて若干拗ねながら 雅が待つ鏡の前にいった


「 今日髪縛って寝る? 」

「 ん~
あったん! どっち? 」

「 撫で撫でしたいから
縛んないで~! 」

「 なるほどね(笑)
じゃあ乾かしたら
ゲームしていーからね 」

こくん と頷くと
雅はトリートメントをつけて
優しく髪を乾かしてくれた


いつも思う

こんな事 前にもあったなぁ~って


頭にはぼんやりと思い出せる

ただ核心的な何かを思い出そうとすると
気持ちが悪くなる



あ、 苦しい って。




「 なっちゃん?
顔色悪い…大丈夫? 」

言われて鏡を見ると
顔色が悪い上に唇が震えて

目がうるうるしていた



「 半乾きだけど…
今日もう寝ようか? 」



そう言って雅は
前に下ろしていた髪を
後ろに分けてくれた











「 なつみ 好きだよ 」