「坂の途中で止まってから、発進して下さい。坂を下りたら外周から6番S字。」

坂道は上って下りるだけでは練習にならないので、あえて一度止まる。
そこからの坂道発進。

上手に足のペダルを使って・・・・

ハンドブレーキを下ろすタイミングも考えて。


私の車は下がらずにスーッと上って行った。


よかった。
次は・・・6番のS字。


指示の通りS字へ向かう。

狭いS字。
コースから落ちないようにゆっくりと。
クラッチペダルとアクセルペダルで速度調節しながら進んでいく。


私は教習生の頃、このS字が苦手だった。
タイヤの通る位置を考えて・・・なんて言われても。
車両感覚がなくて、湯浅教官も困ってただろうなぁ。


今でも初めてこのS字が通れた事を覚えている。
初めてS字が通れた事を当然湯浅教官は喜んでくれた。

そして、私は嬉しくて谷川教官にも伝えたんだ。

もちろん谷川教官も喜んでくれて・・・。



「S字を出たら・・・。」



・・・・・・・・・・・あれ?


山本教官のコース指示が途切れた。


続けられた言葉は・・・。