「じゃあ、発進して下さい。発進したら外周一周して、坂道ね。」

ここまで来て初めて山本教官が次の指示を出した。

やっぱりここまではうまくいっている。


周囲の確認をして外周へ入るために右合図。
状況が良かったらすぐ合流するために、ギアは発進のギアであるローへ。
ハンドブレーキも下へおろして解除。

でも、クラッチペダルを踏んでいるからエンストはしない。
ブレーキも解除したけど足でブレーキを踏んでいるから動かない。

もう一度周囲の確認をして・・・・・。


来てない!!


周囲に教習車はいなかった。


いける!!


私は大丈夫と判断をして外周へと出発した。

ギアも変えながらぐるっと回って、途中の直線で

「指示速度30キロ。」

速度の指定をされた。


これも状況が良ければ速度を出さないといけない。

前方に車も人もいない!
加速できる!!

グッとしっかりアクセルを踏み込んでさらにギアを変える。

30キロで走った後はまたカーブが待っているからブレーキを使って速度を落とす。


私の目線は次の坂へと移っていた。