恋の教習所

だから事務の仕事って気にはなる。

「私の方はみんな仲良くしてくれるよ。昨日かな、事務だけで歓迎会してくれたし。」

村田さん以外に事務職員は3人いる。
村田さんが4人目。
新しく入った村田さんを歓迎してくれているみたいだ。

よかった。

女の人が多いと複雑そうだからちょっと安心。

「よかったね!みんなが仲良くしてくれると仕事も覚えやすいね。」

「うん。そうそう。いくら卒業生とはいえ気を遣うもんね。」


なんとも偶然で。
村田さんもこの学校の卒業生。
・・・・・ということは、笠井君を入れて今回の新入社員は全員卒業生ということになる。

でも卒業生でも気を遣う。
部署は違っても同じらしい。

「だから、村田さんが一緒に入ってくれてよかった~。」

私の正直な感想。

「私も。」

同じように思ってくれているみたい。


部署は違ってもこうやってちょっとでも話をしていると安心する。
気持ちも楽になる。


「あ!言うの遅くなってごめん!湯浅さんがお昼から講習があるから先にご飯食べるって言ってたよ。」


あ!!湯浅教官。

そうだ、私探してたんだ。


でも、お昼から講習があるらしい。
村田さんに伝言を頼んでくれたんだね。


「そうなんだ!教えてくれてありがとうー。探し回る所だったよー。」

村田さんにお礼を言う。


・・・・・・けど、ということは・・・・・


「一ノ瀬さんお昼どうするの?」


そう、湯浅教官がいないとなると他の人たちと食べることになる。
ちょっとスタートが遅れた分、中に入りにくい気持ちもある。



「私もこれから休憩だから一緒に食べる?なかなか一緒に休憩になることないし。」

考えていた私の顔を見たのか提案してくれた。
確かに指導員は一斉に休憩に入るけど、事務職員は交代制。
なかなか一緒に食べることは出来ない。
それに私たちは食堂、事務職員は更衣室で食べている。


「ありがとう!!」

もっと村田さんと話が出来そう。