恋の扉

分からない。



「分かんないよ」

これが私の、本当の答え?

「唯、唯は間違えてるよ。
 
 誰だって、理想はあるよ?
 
 だけど、唯はこの世にいない人を探してる。

 完璧な人間はいないんだよ?

 だれだって、欠点はある。

 結局、理想を追い求めすぎて、
 
 それ以外が見えなくなっちゃってるんだよ。

 考えを変えてなんて言わない。

 だけど、もっとその人のことを見てあげて?

 拓真のことを」


美香の言葉を聞いて、


透明な雫が1滴、


テーブルに落ちた。


それにつられる様にして


また1滴、もう1滴。


零れ落ちた。


今日、初めて考え直した。


今までの自分を振り返った。