「ねぇっ…」 「いい加減気づいてくれよ…」 「…え?」 亮太が消え入りそうな声で言った言葉を、私は聞き取ることができなかった。 「今なんて…?」 「しゃべるな。」 亮太の顔が少しずつ近づいてくる。 こんなに一緒にいるのに、こんなに近くで亮太を見るのは初めてで…。 そう。“良い幼なじみ”のはずなのに。 なんで―――…なんで亮太が? 唇が触れる直前でギュッと目をつぶると、 「…なーんてな。」 いつもの亮太の声がした。