「うん……寒い。」 私が言うと、拓海は自分の着ていたコートを脱いだ。 「風邪ひくだろ。」 そして、私の肩にそのコートをかけた。 「い、いいよ!せん…拓海が風邪ひいちゃうよ!」 「ははっ、無理してまで拓海って呼びたいのか?」 意地悪に笑った拓海の口からも白い息が出て、寒そうに肩をすぼめている。 自分だって寒いくせに… 拓海は意地悪なんだか優しいんだか、よく分かんないや。