「はぁ…タイミング悪すぎなんだよ。普通あのタイミングで入ってくるか?」
ケーキを運んできたお母さんをどうにかごまかし、
不機嫌に独り言をつぶやく先生は、本当に悪魔みたいな人間。
意地悪が大好きで、そのうえ変態。
教師としての要素はどこにもない。
強いて言うなら……先天的に備わっているらしい天才的な頭脳ぐらい。
こんな人に住み込み許可を出したお母さんの気がしれない………
「萌香~、続きやろうか。」
「あぁ…うん。」
続きって、自分はなんにもしないくせに。
とりあえず頷いてシャーペンを握った私の手を、先生がつかんだ。
「…なに?」


