ドキドキ…ドキドキ…





さっきの恭吾の笑顔が頭から離れない。





「な、どこ行く?」





「っは…あたしはどこでも!」





いかんいかん!あたし、あからさまに意識しちゃってる…。





「んじゃ、ゲーセン行こーぜ!」





「うん!」





そういって、近くのゲームセンターまで向かう。





少し沈黙が続く中恭吾はあたしの一歩前くらいを歩いている。





何故かお互い沈黙を保ったままで…





それでも、さっきからまったく距離が離れないのは恭吾が合わせてくれてるからなんだよね…。





「…冷たっ!」





いきなり頬に冷たさを感じた。





そんなあたしの反応に足を止めて恭吾が振り向いた。





「雨降ってきたか…鈴傘持ってる?」





やっと会話が始まったと思ったら、さっきのポツポツの雨は次第にザーザーと音を変えた。





「本格的に雨だ…。あたし傘持ってないよ…恭吾は?」





「マジかよ……じゃ、とりあえず…」





そういうと恭吾は着ていた学ランを脱ぎ始めた。





「え?ちょっと恭吾、風邪引くよ!」





心配するあたしをよそにふわりと頭の上に何かが乗った。