「はいはい!じゃあ全員集まったことだし席替えしよーぜ!」
男子の中の1人がそういった。
「じゃあくじで決めよーぜ!」
――――――――……
――――――……
ゲッ…。
あたしは今あからさまに嫌そうな顔をしていると思う…。
だって、だって、
隣が恭吾なんだもん。
「おい、鈴!さっきからなんだよその顔。」
横から恭吾が、あたしの顔を覗き込む。
「なっ…、やめてよ!なんでもないし」
「じゃあ喜べって、俺と隣なんだし。変にほかのしらねーやつと隣よりましだろ?」
そりゃそうかもだけど。
「まあそうかもだけど…てか恭吾ってなんで合コンに来たの?」
いつも来てんのかな?
あー、なんかもやもやする。
「暇だったし来ただけ。てかそれいうなら鈴だろ?しかも何メイクに気合い入れてんの」
「あたしだって女なの!メイクくらいするもん」
「とかいって、合コンのために気合い入れてきたんだろ?」
「だってまさか恭吾が…いるなんて思わなかったから!」
「ばーか。俺だって彼女がほしい年頃だっつの。ま、せいぜい頑張れよ!」
「あたしはいいのー!好きな人ができたらで。」
もうヤケクソだ。
「あー悪いって!そんな怒んな。」
そう言うと、あたしの頭にポンと手が置かれた。
「わっ!なに?」
あたしは恭吾を見つめる。
恭吾もあたしも見つめる。
「みんな!もーそろそろ解散しよーぜ。後はそれぞれでってことで。」
そういうと、みんなバラバラになってしまった。
