香織が綺麗な手であたしの髪に触れる。


「海の目すごく綺麗だよね。透き通ってて引き込まれそうになる」


「そう?まっ黒ってなんかつまんなくない?香織の方が綺麗だよ」


「絶対カラコンなんかしない方がいいってぇ。KINGがいなければ自由なのにぃ~」

「…」


言われてみれば、ここはあたしの家のようなもんなのに敵のアジトのようなもんだな。


かな兄は全然知らないで何も起こさないからほっといたんだろうなぁ…。


それにKINGが結構学校に寄付金出してくれてるんだったらなおさら無理か…。


そんなことを考えながらテレビのチャンネルを回してニュースにした。

明日の天気見とかなきゃっ。


あたしはコップを片手にテレビに目を向ける。



「はぁー!?!?!」


あたしはテレビの画面を見た瞬間大声をあげた。

テレビの画面いっぱいに映る竜崎グループの本社。

そしてその中央には…

‘竜崎夫妻に隠し子が!’