『海、なんでだよ…?だったら、どこにいるかくらい教えろ・・』
さっきまでの勢いのある玲斗の声じゃない。
あーあ…
あたしはなんで大切な人を傷つけてばかりなんだろう?
なんで傷つけることしかできないんだろう?
あたしは最低な奴だ。
「ごめん、今は言えない。あたしは裏切り者だから…」
本当はDOLLに戻りたい。
まだいたいよ…
でも、今のあたしにはもうこれしか道はない――…
あたしが強くなるために。
過去を乗り越えるために…
ねぇ…あたしの事まだ好き?
“櫂”
『しょうがねぇ。海がそういう態度ならこっちにも考えがある。ぜってぇ見つけてやるから!』
プ―、プ―、プ―
「っ…!」
そう宣言されて電話を一方的に切られた。
はぁ…泣きそう。
ダメダメ!こんなに弱気じゃ!!
お風呂に入って気持ち入れ替えようっと。
いつまでも気落としててもしょうがないし。

