あたしのお爺ちゃんは中学からここに入れさせたかったらしい。
でも、パパが中学は普通の学校に行かせると言い張ったのでお爺ちゃんはあきらめた。そして、高校生からはここに来るという約束だったのだ。
やっとあたしがこの学校に入学してめっちゃ喜んでたお爺ちゃん。
家で盛大なパーティーを開いてくれた。
お爺ちゃんの交渉はすごかったな…
「そうなの・・・。もしかして竜崎グループの娘さん?・・・でも、竜崎グループに女性の跡取りなんていたかしら?違うとしても、すごい資産の持ち主よね。」
綺麗な手つきで紅茶に手を伸ばす瀬沢さん。
今はまだばれてはいけない。有名になってしまったら、KINGにばれてしまう可能性が高まるから。
秘密を貫くには――――――・・・
「普通の庶民ですよ。父は普通の社員です。確かに資産は少しあるかもしれませんが…」
庶民を強調して言った。
それを聞いた瀬沢さんはびっくりした表情を見せた。
「そ、そう。庶民…。それでも資産がある人もいるのね。」
な、なんだって。この人たち庶民を馬鹿にしてる。
あたしは少しイライラしてきた。庶民かもしれないけど、中学の友達は皆あたしにいろいろなことを教えてくれた。櫂は庶民じゃなかったけど…
あたしの友達をけなされた気がした。
そして瀬沢さんがつづけた。
「でも、ご両親トップランクの社員なのでしょうね。まず、資産をお持ちなのなら。」
そう言って笑った。
社員にトップも何もあるの?
そんなの初めて知った・・・

