「青龍って、なんでこんなにきれいなんだろう」 声に横を向けば、日差しがほどよくあたる本に、食い入るように目を見開く女がいた。 放課後の静かな空間から緊張感が抜けた瞬間だった。ぼくは偶然となりに座っただけの、ただの同級生だ。そこのメガネの男の子、睨まないでほしい。 ぼくは彼女に視線を戻していた。顔は小さくないけれど、きれいな二重にあまりきにならない創りになっている。