クウの手を握ると、暖かかった。 顔の色も前より、なんだか明るくなった気がする。 「無事、戻れたんだね。」 涙を堪えて顔を上げる。 「うん。ありがとう。」 そう言うとクウは、私にキスをした。 ただ雨は降り続けている朝のことだった。