甘い声で『砂瑛』って呼ばれて、マッチに火がつくようにボッと顔が真っ赤になった。


「…ほ、ほんとに?」

「ドッキリでしたー。…って、馬鹿じゃねぇの」

……ですよね…。


「酷ぇことして泣かせたりしたけど、本気だった」

「…うん」

そんな事もあった。

遊ばれてる。試されてる。からかわれてる。

そう思った時は、凄く悲しくて涙が出た。

廊下ですれ違った時に、目が合わなかっただけで落ち込んだりもした。


「ごめん」

……って、あれ?


「傷付けた」

…私………。