走って保健室に向かったけど、その姿はなくて…。
中庭にも、どこの廊下にも、空き教室にも、その姿はなかった。
「…はぁっ……はぁ…」
普段あまり運動をしないから、すぐ疲れて、息が上がる。
「……っっ…はぁ…屋、上……はぁ…」
あとは、屋上だけだと思い付いた。
少し息を整えて、髪を解いて、メガネを外して、…屋上に向かって走り出した……。
…――バンッ、と勢い良く屋上の扉を開けると、捜していた姿があった。
フェンスにもたれて、あぐらをかいて座るその姿。
「あ?」
そして内藤くんが、私を捕らえた。
「…っ……はぁ……ぃた…」
そう言って、その場に座り込んだ。
走りすぎて、見つかった達成感で足の力が抜けた。

