内藤くんに『どうしたの』なんて、前の自分だったら絶対言えなかった。 「別に。なんとなく見てただけ」 「…そっか」 「あのさ、前に夜公園で話した事覚えてるか?」 それは内藤くんに、初めて抱きしめられたあの日のこと。 「覚えてるよ…」 あの時は、必死だった。 平然を、変わらない日常を、…自分を保つのに。 彷徨いすぎて、自分で迷路をつくっていた。