そして私は、窓側に顔を向けて、顔を伏せた。


教室が静かになり『入っていいぞ』と先生が言ったとたんに、転入生が入って来たのか、教室がざわついた。


「ねぇかっこよくない?」

「あたしも思った!」

前の席で、コソコソと話す女子の話し声が聞こえた。


黒板に、字を書く音だけが聞こえる。

「えー…、転入生の山本 浤太(ヤマモト コウタ)君だ」