純情オオカミ








「うっそ!!男の子と話せたの!?」


瑠衣の声が教室中に響いた。


「…怖かったよ〜〜」

「え、何向こうどんな顔よ」


ただ今、昨日の話を瑠衣に相談中。

本当は電話したかったけど
あの背の高い人と別れた後の記憶がない。

…もしかしたら魔力かもしれない。


「え、イケメンじゃん」

「確かに整ってたけど…」

「制服だったの?私服?」

「んー…よく見なかったな」


全然まともに顔も見れてないし。
服装なんて気にしてる余裕なかった。

年も名前もなんにも知らない。


「なんだよ!見とけよ!
でもちょっと進歩だよね」

「…話せた」

「オイ、コラ可愛いな」

「え?」


〜♪〜♪〜♪


机の上に置いてある
瑠衣のケータイが鳴った。


「はーい、快斗どしたの?」


相手は快斗くんか…。
ほんと仲良いなぁ。

楽しそうに2人は話している。

自然と笑みがこぼれながら
キラキラしている瑠衣を眺める。

すると瑠衣は「え!?」と
突然大きな声を出した。


「??」