純情オオカミ








「お前なんで泣いてんだよ。
どっか痛いのか?お腹すいたのか?」

「…へ?」

「俺おごってやるから泣くな」

「…だ、いじょぶです私は。
…それより助けてあげてください…!」


倒れている人達に目をやる。
やっぱりさっきと同様に鳥肌が立つ。


「…あー」


その人は一瞬忘れてたという
顔をしてひとりひとり起こしていく。

私はそれを遠くで見つめる。
距離があるから会話は聞き取れない。


あー、また私のおせっかいな性格で
男の子達を見過ごす事が出来なかった。

この性格には本当に悩ませられる。
やっかいというか、なんというか。


私は本日2回目のため息をついた。