純情オオカミ








それから1時間くらい経った。
男の子といるのはかなり疲れる。

悪いけどもう失礼させてもらお…。



「じゃあ私そろそろ行くね!
私の分のお金置いていくから」

「え、じゃあ一緒に帰るー」


若干不満そうな顔をして
瑠衣も一緒に立ち上がる。


「いやいや!2人はゆっくり
していっていいから!…ね?」


私は瑠衣をなだめて手を
振りながらファミレスを出た。


「…ふー」


小さいため息をひとつついて
駅前の人ごみをくぐり抜ける。

通りすがる人は彼氏彼女は
幸せそうに手を繋いで歩いている。


その光景をぼけっと見つめ
ゆっくり家の方向へ向かう。


はー、人ごみ嫌だな…。


今日はなぜか人が沢山
駅前に押し寄せていた。

人ごみを避けようと裏道に
入った瞬間、私は目を見開いた。