純情オオカミ








私は昨日の人の顔が見れず少し
うつむき加減に瑠衣の後ろに隠れる。


「何隠れてんのよー」

「…え、だって」

「ほら、前出なさい!」


私は瑠衣に引っ張られ
無理やり前に出される。

そして昨日の人は私の方に
無表情でつかつか向かってくる。


オレンジっぽい髪色が
太陽に透けて綺麗だなぁ。

校則で髪染め禁止だから
見慣れないから余計に感動する。

私なんてただ色素が
ちょっと薄いだけだからな…。


「昨日はどうも」


この人の言葉ではっと現実に戻る。


「…はい」

「俺、隣の男子校通ってんの」

「…なるほど」

「よろしくな」

「…はい」


私はやっぱり顔がみれなくて
ずっとうつむきながら話していた。

瑠衣、はやくファミレス行こうよ〜…

ちらっと瑠衣を盗み見る。

目が合った途端、瑠衣は
とんでもない事を言い出した。


「そーだ!せっかくだし
このメンバーで行こうか」