「おーい席つけー」

少しハゲかけた先生が入ってきて
ガヤガヤしていた教室から人が減り
ほとんどがアイツの追っかけだったことがわかる。



「そんないいもんかね…」

斜め前でキラキラと王子様オーラを放つ橘を見ると目があった。


ニコッと微笑んだヤツはやっぱり顔だけは良くて、また少しムカついて目をそらした。



確かにかっこいいかもしれないけど、
完璧すぎて人間味がない気がする彼は、
親や家の言いなりになって完璧人間を演じ続ける本当はかわいそうな人なのかもしれない。


先生の話を聞き流しながら、
私は机に顔をうずめた。