王子な彼の恋は盲目



鼻歌を歌いながら自転車を走らせていると、もうすぐ家だというタイミングで私はとんでもないことを思い出してしまった。



ー…学校に体操服が置き去りなのだ

大したことではないようにも思えるが、今日は4限目に体育があったのに6月のじめじめした教室に汗臭い体操服を置いておく訳にはいかない。



「あーっ、もうっ…!」


仕方なく自転車をUターンさせ、私は汗だくになりながら坂を登りはじめた。






今思えば、この時諦めて家に帰っていればあんなことにはならなかったのだ。